頭痛

脳やその周囲の組織、血管の異常によって生じる痛みです。
主なものとして、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、薬物乱用頭痛などが挙げられますが、くも膜下出血や脳腫瘍などの重篤な病気が隠れていることもあります。

片頭痛

ズキズキとした拍動性の痛みが、こめかみから目の周囲にかけて現れるのが特徴です。片側に起こることが多いものの、両側に出る方もいます。ストレス、睡眠不足、特定の食べ物、天候の変化などが引き金となり、脳の血管が拡張して周囲の神経が刺激され、痛みが生じます。視界にキラキラした光が現れる「閃輝暗点」などの前兆が見られることもあります。

受診の目安

  • 頭痛が繰り返し起こる
  • 痛みが数日以上続く
  • 市販薬が効かない、または薬を飲む回数が増えている
  • 前兆や視覚異常がある

詳しくは片頭痛でお悩みのあなたへページをご覧ください。

緊張型頭痛

頭全体が締めつけられるような痛みが、数日から数週間続くことがあります。肩や首の筋肉のこりが原因となることが多く、ストレッチ、軽い運動、マッサージなどが有効です。

受診の目安

  • 頭痛が長期間続いている
  • 肩こり・首こりが強く、生活に支障がある
  • 頭痛が徐々に悪化している

群発頭痛

目の奥をえぐられるような激しい痛みが、1〜2時間続き、毎日のように繰り返されます。痛みは非常に強く、じっとしていられないほどの苦痛が特徴です。働き盛りの男性に多く見られます。

受診の目安

  • 激しい痛みが毎日決まった時間に出る
  • 痛みが目の奥に集中している
  • 日常生活が困難なほどの痛みがある

薬物乱用頭痛

鎮痛薬の使用頻度が多くなることで起こる頭痛です。片頭痛や緊張型頭痛から移行・併発することもあり、近年注目されています。

受診の目安

  • 鎮痛薬を月に10回以上使っている
  • 薬を飲んでも痛みが治まらない
  • 痛みが慢性化している

症状が続く場合は、医療機関での診断と適切な治療が必要です。

物忘れ・認知症

年齢とともに物忘れが増えることは自然なことですが、日常生活に支障をきたすような物忘れは、認知症の可能性があります。
認知症には、MCI、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、正常圧水頭症などがあり、いずれも早期発見・早期対応が大切です。

受診の目安

  • 同じことを何度も聞く・言う
  • 予定や約束を頻繁に忘れる
  • 時間や場所、人の区別が曖昧になる
  • 家族や周囲が「何かおかしい」と感じたとき

詳しくは物忘れ・認知症ページをご覧ください。

水頭症(特に正常圧水頭症)

脳脊髄液が過剰にたまり、脳を圧迫する病気です。
「歩行障害・認知機能低下・尿失禁」の三徴候が特徴で、高齢者に多くみられます。手術により改善するケースも多いため、見逃さないことが大切です。

受診の目安

  • 歩き方がぎこちなくなり、足が出にくい感じがする
  • 記憶力や注意力が落ちた
  • トイレが間に合わない、尿失禁がある
  • 画像検査(CT・MRI)で脳室の拡大を指摘された

頭部外傷

頭を打った場合、外見上は問題なくても脳に損傷があることがあります。症状はすぐに出ない場合もあるため、注意が必要です。

受診の目安

  • 強く頭を打った後、吐き気や意識障害がある
  • 頭を打った後に数時間〜数日してから症状が出てきた
  • けいれん、記憶障害、ぼんやりするといった症状がある

詳しくは頭部外傷ページをご覧ください。
小児の場合は小児脳神経外科の頭部外傷部分をご覧ください。

脳卒中

脳の血管が詰まる・破れることで、脳細胞にダメージが生じる病気です。
命に関わるだけでなく、重い後遺症が残ることもあるため、初期対応が非常に重要です。

受診の目安(早期発見が命を守ります)

  • 突然、片側の手足や顔が動かない・しびれる
  • 言葉がうまく出ない、理解できない
  • 視野が欠ける、物が二重に見える
  • 急激な頭痛、意識障害、嘔吐を伴う

詳しくは脳卒中ページをご覧ください。

けいれん・ふるえ

てんかんや本態性振戦の可能性があります。

てんかん

けいれん(体の一部または全体)や意識消失を伴う発作が繰り返されます。
原因や症状は個人差があり、脳波やMRIなどで診断されます。
ストレスや睡眠不足、光刺激などが発作の引き金になることもあります。

受診の目安

  • 初めて体のけいれんや意識消失が起こった
  • 発作が複数回起きている
  • 日常生活に支障が出ている

本態性振戦

手のふるえが主な症状で、意思とは無関係に生じ、日常動作に影響します。
特に字を書く・コップを持つといった動作で症状が強くなります。
薬物療法で改善できることがあります。

受診の目安

  • ふるえが強く出て、字が書けない・箸が使えないなどの日常動作に支障がある
  • 発作が複数回起きている
  • ふるえが徐々に悪化している

*ふるえは、パーキンソン病など特殊な難治性疾患の場合などもあるため、必要に応じて脳神経内科と連携して診断・治療を行います。

手足のしびれ・麻痺

原因としては、脳卒中、脳腫瘍、正常圧水頭症などの脳疾患に加え、末梢神経障害、腰部脊柱管狭窄症など整形外科的疾患も考えられます。
感覚が鈍くなるだけでなく、力が入りにくくなることもあります。
脳の病気か、末梢神経の問題かを見分けるために、画像検査や神経診察が行われます。

受診の目安

  • 片側の手足にしびれや麻痺が突然出現
  • 症状が徐々に進行している
  • 日常生活(歩行・細かい動作)に支障が出ている

詳しくは脳卒中脳腫瘍ページをご覧ください。

呂律障害、言葉が出ない

脳卒中や脳腫瘍が原因の可能性があります。
脳の言語を司る部位(ブローカ領域・ウェルニッケ領域など)が障害されると、言葉が出にくくなります。(失語症)
意識がはっきりしていても、言葉を発する・理解する力が落ちてしまうことがあります。
呂律に関わる脳の部位や神経が障害されると、言葉は出るが、うまく呂律がまわらないといった症状が出現します。

受診の目安(いずれも緊急)

  • ろれつが急に回らなくなった
  • 言葉が出にくい・意味不明の発言がある
  • 急に顔がゆがんだ・笑顔が片方に寄る・口の片側から唾液や飲み物がこぼれる

顔面の痛み・けいれん

三叉神経痛、顔面痙攣、眼瞼けいれんなどが考えられます。薬物療法だけではなく、手術治療によって症状の著しい改善が見込める場合があります。その判断のためには、MRIによる詳細な画像検査が必要です。

三叉神経痛

顔の片側に、針で刺すような激しい発作性痛。数秒から数十秒続き、洗顔・歯磨きなどで誘発されることもあります。

顔面痙攣

まぶたや口元などが意思と関係なくけいれん・ぴくつく。ストレスや疲れが引き金になることもあります。

眼瞼けいれん

まぶたの周囲だけが慢性的にぴくつく。長引くと目を開けにくくなり、視野が狭くなることもあります。

受診の目安

  • 顔の痛みが耐えがたくて寝られない
  • けいれんが日常生活に支障をきたしている
  • 片側だけ持続的に症状が出ている

めまい

脳疾患(脳卒中、聴神経腫瘍など)や耳鼻科疾患(良性発作性頭位めまい症、メニエール病、突発性難聴など)によることがあります。
回転するようなめまいだけでなく、ふわふわする感じや、姿勢を保てないタイプもあります。
聴力や平衡感覚に関連する神経が関係している場合、耳鳴りや難聴を伴うことがあります。

受診の目安

  • ふらつきや倒れそうになるほどの強いめまい
  • 耳鳴り・難聴・耳閉感を伴う
  • 身体の半分だけ麻痺やしびれがある
  • めまいとともに頭痛や吐き気が急に起こった

*めまいの多くは耳鼻科疾患といわれていますが、聴神経腫瘍や脳卒中を見逃すことがあるため、脳の画像検査が有用です。

視野・視力の異常

眼科疾患だけではなく、脳の異常によって視野・視力に異常が出現することがあります。
下垂体腺腫を含む脳腫瘍による視神経の圧迫や、脳の視野に関わる領域(視覚野)の異常が考えられます。
特に両耳側の視野が見えにくくなる「両耳側半盲」は、下垂体腫瘍の典型的な症状です。

受診の目安

  • 視野が狭くなった(見える範囲が狭まる)
  • ものが二重に見える
  • 視力が急激に低下した

*下垂体腫瘍は、内視鏡を用いて鼻と穴から手術を行う特殊な手術法が用いられます。当クリニックでは、国内でも有数の治療経験をもつ病院と連携しています。

ホルモンの異常

下垂体腺腫では、成長ホルモンやプロラクチンの過剰分泌・不足により、体重変化、月経異常、疲れやすさ、排尿・排便の変化などが現れることがあります。
成長ホルモンの過剰で手足が大きくなる「先端巨大症」、プロラクチンの過剰で無月経や乳汁分泌が見られることもあります。
視神経の圧迫による視野異常を伴う場合は、腫瘍がある程度の大きさに達していることが多いです。

受診の目安

  • 理由のない疲労や体重の急激な変化
  • 月経周期の乱れや性欲の変化
  • 視力の異常を伴う(視野狭窄など)
  • すでに薬物によるホルモン補充療法を行っていて、治療継続を希望されている方

小児特有の症状

詳しくは、小児脳神経外科ページまたは該当リンクをご覧ください。